遺産分割協議の対象となる遺産は?
人が死亡することを“相続が発生する”などと言いますが、相続が発生すると亡くなった人(被相続人)が有していた財産を相続人が承継することになります。
この時、被相続人が有していた遺産を誰がどのように相続するのか、相続人全員の話し合いで決めることになります。
この話し合いを遺産分割協議と言いますが、そもそも遺産には何が含まれるのか、という問題があります。
生命保険金や祭祀財産などは遺産には含まれないとされていますので遺産分割協議は不要です。
一般の方がよくイメージしやすい遺産としては不動産や預貯金、株や自動車などでしょうか。
しかし、遺産に含まれるものでも、遺産分割の対象とならない遺産もあります。
遺産分割協議の対象となる遺産
遺産は原則として遺産分割協議の対象になります。
現金
不動産
借地権
預貯金
有価証券(株など)
自動車
動産(宝石や絵画など)など
遺産分割協議の対象とならない遺産
可分債権(金銭債権など)
→法律上当然に分割されるため、法定相続分に応じて相続人に承継されます。
預貯金債権も可分でありますが、その性質に鑑み、当然に分割されることはなく、遺産分割協議の対象となるとする最高裁の判例(H29)があります。
可分債務(金銭債務など)
→法律上当然に分割されるため、法定相続分に応じて相続人に承継されます。
但し、相続人間で内部的に負担割合を決めることは可能とされていますが、この場合でも債権者は各相続人に対して、当然に分割された債務の履行を請求することができます。
まとめ
被相続人が有していた財産。
それがまず遺産に含まれるのかどうなのか。
そして、遺産に含まれる場合でも遺産分割協議が必要なのかどうなのか。
一言で遺産と言っても実は法律的には奥が深いものです。
最近ではデジタル遺産(ビットコインやSNS上の権利など)も増えてきました。
遺産分割協議は相続人の話し合いで決めますが、その対象財産が何なのかをはっきりさせなければ、そもそも話し合うこともできません。
対象財産について疑問がある場合や、遺産分割協議についてわからないことがある場合には、お近くの司法書士等にご相談に行かれるとよいでしょう。
弊所では、遺産相続に関する案件を多く扱っておりますので、お客様の状況に応じて適切なサービスをご提供いたします。
ぜひお気軽にご相談ください。