不動産の相続手続きってどうするの?
故人の名義の不動産がある方は、相続登記をして相続人の名義に変更しましょう。
「不動産の相続登記ってしないとだめなの?」「手続きにはなにが必要なの?」など、普段あまり馴染みのない手続きですから、知らないことがたくさんあると思います。
このページでは、みなさんにもわかりやすく不動産相続の手続きの流れを解説いたします。
目次
不動産の相続をしないと困ることになる?
最初に、ご不動産の相続手続きはしないとどうなるか、どのようなリスクがあるのか皆さんはご存じでしょうか?
普段、業務をしているとこのようなご質問を多くいただきます。いくつかの注意してほしいことがありますので、確認していきましょう。
相続登記しなくて困ることって?
相続登記をしないと問題がでてきてしまう場合があります。
近年、話題になっているのは、空き地問題です。この問題は、相続登記をしないがために、誰が不動産を相続したか不明瞭な状態が何年も続き、相続人が際限なく増えてしまっている状態が多いのです。
たとえば、A、Bが土地を相続しましたが相続登記はしませんでした、その間にAが亡くなってAの相続人はC、D、Eだとしたら、土地の相続人は、B、C、D、Eとなってしまいます。
この状態で、また相続人の誰かが亡くなってしまうと、さらに相続人は増えていくことになるます。
仮に、この不動産を売りたいと思ったときには、相続人の調査だけでも大変な労力と費用が掛かってしまいます。
不動産の相続が開始したら
不動産の名義人が亡くなったとき、お葬式や役所の手続きなどで忙しく、「不動産の相続手続きまでは手がまわらない!」という人も多いのではないでしょうか?
司法書士のように不動産の相続手続きを頻繁にする!という人は少数だとおもいます。
不動産の相続手続きに手をつけようとしたとき、なにからしていけばいいのか確認していきましょう。
1.まずは不動産を確認しよう
不動産を相続の手続きを始めよう!と思っても、生前に居住していた自宅であれば相続人もはっきりと被相続人のものだとわかりますが、不動産は自宅だけとは限りません。
被相続人の所有不動産を調べるにはいくつか方法があります。
固定資産税納税通知書
⇒毎年5月くらいに送られてきます。
名寄帳
⇒市役所や都税事務所で取得できます。
不動産の権利証
などを確認して、物件を特定しましょう。
2.相続人を確認しよう
相続する不動産がわかったら、次は相続人を確定させましょう。相続人には相続順位というものがあります。(相続人の順位について、詳しくこちら)
だれが相続人なのかを確定しないと相続手続きをすることができません。
どのように調べたらいいのでしょうか。
被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本を確認する
戸籍謄本には、出生や結婚、離婚、養子縁組など様々な身分事項が記載されています。
一般的に日本国籍の方は、生まれてから死ぬまで必ずだれかの戸籍に入っているので、出生まで戸籍謄本をさかのぼれば、子の人数や養子縁組などの情報を確認できます。
出生から死亡までの戸籍謄本を取得し、相続人の調査をしましょう。
遺産分割協議書を作成しよう!
相続人の範囲がわかったら遺産分割協議書を作成しましょう。
遺産分割協議書は遺産を「だれが」「なにを」相続するかをみんなで決める手続きで、みんなで決めたことを協議書という形で残します。この書類には全員の実印が必要な重要書類となります。
1.遺産分割には種類がある
財産の状況によっては、ただ単純に「みんなで分けましょう!」ではうまく分割できないということもあります。たとえば、遺産が不動産しかない場合など、どうすればいいのか悩んでしまいますよね?
そこで、一般的に遺産分割協議の方法には、3種類が用意されています。
現物分割
現物分割は文字通り、遺産をありのままで相続することとなります。
現預金などはAさんが不動産はBさんが相続するなど、だれに分割するのかは自由です。相続財産そのものについては、基本的に変更は加えません。
一番わかりやすい分割のしかたといえるかもしれません。
換価分割
たとえば、遺産が自宅不動産ひとつだけで他になにもないというような場合、不動産売却して得た現金を相続人で分けましょうというのが換価分割です。
現物分割で自宅を相続人で共有にするというのも一つの選択ではあります。
しかし、共有にすると不動産の処分ができなくなったり、共有者に相続が発生し、共有者がさらに増えてしまうということも考えられます。そういったトラブルを未然に回避するには、とても効果的です。
代償分割
代償分割は、遺産を相続した相続人は他の相続人に代わりのものを提供するという手続きになります。
代わりに提供するものは、相続財産でなくてもいいというのがこの分割方法の特徴です。
たとえば、相続財産が不動産しかなく、Aさんがその不動産を相続したいとします。
他方、Bさんは相続分に相当する現金を要求しています。
このような状況のときに代わりの現金をBさんにお支払いすることで、不動産を売ることなく、不動産を相続することが可能となります。
2.遺産分割協議で財産放棄もできる
相続財産を受け取る必要はない!とお考えの人も遺産分割協議で財産を放棄することができます。
ただし、家庭裁判所に申し立てる相続放棄の手続きとは異なりますので、注意が必要です。
たとえば、被相続人の財産に多額の借金があるような場合は、たとえ相続人間での遺産分割協議でプラスの財産もマイナスの財産も相続しないと決めたとしても、債権者には関係がないことですので、借金返済の通知が来てしまう可能性があります。
財産放棄をするにも注意しなければいけないことがあるので、心配な方は一度、ご相談してください。
必要な書類を揃えて法務局に提出する。
遺産分割協議でだれがなにを相続するか決まったら、不動産の相続登記をするため、必要な書類をそろえて法務局に提出します。(下記は一般的な相続登記に必要な書類です。)
- 申請書
- 登録免許税(固定資産税評価額の1000分の4)
- 被相続人の戸籍謄本(出生から死亡までのもの)
- 被相続人の住民票
- 相続人全員の戸籍謄本
- 不動産を取得する人の住民票
- 遺産分割協議書
- 相続人全員の印鑑証明書
- 評価証明書
これらの書類をそろえて法務局に提出します。
しばらくすると登記識別情報通知(不動産の権利証)が法務局から発行されます。
相続登記は面倒でもお早めに
不動産の相続手続きは、書類が多く、集めるだけでもかなりの時間と労力を要します。
しかし、ここまでご説明したとおり、不動産の相続手続きを放置していると将来的に困るのは、子供や孫の可能性が大きくなります。
相続が開始して、すこし落ち着いたら、必ず手続きをするようにしましょう。
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